おもしろ発明ウェブログ

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おもしろ発明家名鑑(発明系YouTuber・原田昭彦さん)

発明家を紹介するシリーズ。ここでは思わず「これ便利!」と言いたくなる身近な発明品でビジネスをする発明家を紹介しています。今回、4番バッターとして登場いただくのは、原田昭彦さんです。

 

目次:

 

発明家・原田昭彦さん

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原田さんはご自身が商品開発をされるBengory(ベンゴリー)の代表。ベンゴリーの名には「世の中を便利合理的に変えたい」という願いが込められているそうです。

 

原田さんはテレビやYouTubeなどのメディアでも幅広く活躍されており、ご自身のYouTubeチャンネルは登録者数が1万人を突破!今回はそんなエンターティナーの顔も持つ発明家のお話です。

 

主な発明品

・らくらく線引き定規『絶対等間!』

原田さんの代表作はこちら ↓

youtu.be

このアイテムの見た目は普通の定規。しかし、専用の下敷きと一緒に用いると、不思議なことに、等間隔の線をスイスイと引けちゃいます。慣れれば片手でも扱えるので、とても便利です。商品の使い方は上記YouTube動画で解説がされていますので、ぜひご覧ください。動画も見応えがあります。

 

なお、『絶対等間!』はA4サイズ(下敷き)にて発売予定です。詳細はベンゴリーのホームページをご確認ください ↓
https://bengory.com/

 

活動内容

■ テレビ出演

原田さんは発明家として多数のテレビ出演を果たされています。最近では「絶対等間!」もテレビで紹介されています ↓
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※写真はベンゴリーHPより引用

 

特筆すべきは、原田さんが番組企画に合わせて発明・アイデアを形にし、それで芸能人・アスリートと勝負されていることです。最たるものは、読売テレビ系の「ビッグ☆プレイ」という番組。そこでは、30〜35m級の巨大ブランコに乗って靴飛ばしをするという競技(スーパースカイシュー)に挑戦されています。「大きな羽を付けた靴」や「着地後に地面を転がることで移動距離を稼ぐボール型の靴」など、とてもユニークなアイデアを具現化されて競技に挑まれています。

 

さらに、原田さんは「鳥人間コンテスト」優勝チームの代表を務められていた経験もお持ちです。そこにも象徴されますが、原田さんは常にチャレンジする姿を示されており、それを見た視聴者は原田さんに魅了されてしまうのではないかと思います。

 

■ YouTube

一方、原田さんはYouTuberでもあり、ご自身の「発明チャンネル原田」で動画を配信されています ↓

youtu.be

チャンネル登録者数は1万人を越え、大活躍されています。上記のマスク動画では、コロナ禍で一早くマスクの重要性や誤った使い方などの情報を発信されています。現在の再生回数はなんと231万再生を超え、世の中に多大なインパクトを与えています。 

 

インタビュー

Q:ご自身の性格は?

 変人です(笑)。

 ただ、僕自信はまともだと思っていて、周りが僕と違うだけのようです。例えば、僕は子供の頃、押しボタン信号の横断歩道は、ボタンを押さずに渡っていました。どうして子供がひとり道路を横断するだけなのに、信号を変えて何台もの車を停止させないといけないのか理解ができなかったんです。車が来ない時に渡れば済む話です。たくさんのガソリンが使われてしまう無駄な行為だと思っていました。 

 当時は合理的という言葉を知りませんでしたし、親や先生に言っても怒られるので言えませんでした。赤信号の横断歩道を渡ると怒られるけど、歩道から少し離れた所なら怒られないことも発見しました。実際、大人も斜め横断とかしているじゃないですか。実際は交通違反ですけど、車や自転車が走っていない時に斜め横断しても危険じゃないことは子供でもわかります。ただ渡る前に必ず、右、左、右の順番でシッカリ確認していました。この方法は合理的だと思ったからです。

 と、このように、周りから理解されないことが多くて、学校生活も苦痛でしたし、会社に入社してからも自分の提案や考え方が評価されないことがストレスになって、会社を辞めました。そういう人です。

 

Q:発明家になるきっかけは? もし差し支えなければ、発明家になる前のご職業なども教えてください。

 子供の頃からものづくりが好きで、オモチャを分解して仕組みを考えたり、それを利用して何か面白い物を作ったりしてました。小学生低学年の時は、学研の教材が楽しくて楽しくて、手回しレコードプレーヤーとか、めちゃめちゃ感動したのを覚えています。物理的な現象を身体で覚えました。

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※写真は15歳の時の原田さん(左)と35年前に製作されたドローン(右) 

(続き)発明家を目指す前は、株取引で生計を立てていました。株で上手く稼げなくなってしまい、以前からやりたかった発明事業をやることにしたんです。ただ目先の生活費も稼がないといけなかったので、色んな仕事をやりました。

 中には覆面調査の仕事で、お客さんとして飲食店とか携帯ショップとかパチンコ屋などに入店して、店内の状態や店員の態度や言葉遣いなどを細かくレポートする仕事もやりました。1日にハンバーガーを5つ食べる日もありました。身体に良くないですね(笑)

 

Q:鳥人間コンテストの出場経験をお持ちと伺いましたが、詳しく教えてください。

  鳥人間コンテストは、話せば一晩あっても足りません(笑)。子供の頃から飛行機が大好きで、模型飛行機を作るのが楽しくて、僕が17歳の時にムサシノ模型飛行機研究所という模型飛行機の会社に「高校卒業後に就職したい」という手紙を送ったら、「零細企業で、一緒に働かないかと言えるところではない」という返事がきました。 ただ、従業員に鳥人間コンテストの活動している島崎がいるので、興味があれば一緒にやってみないか?と誘われたのがキッカケで、その年に琵琶湖に行きました。

 その島崎氏が、模型飛行機のハンドランチグライダーという分野では知る人ぞ知る実力者で、鳥人間の機体設計は島崎氏がやっていました。僕は1986年からメンバーとなり、本格的にやりだしたのは2000年からだったかな?2004~2010年に脱退するまでチームの代表をやらせて頂きました。モノづくりに長けたメンバーが多く、僕が凄かったわけではありません(笑)

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※写真は「鳥人間コンテスト」機体の製造光景 

 

Q:ご自身の発明品の一押しの作品を教えてください。

 今は「絶対等間!」しかありません。

※搭載技術は現在特許出願中とのこと。発明内容を詳しく紹介したいところですが、出願公開前のため、まだ説明はできません。代わりに、小学生の娘が原田さんからプレゼントしてもらった商品(下敷きサイズはB5)の写真を貼らせてもらいます ↓

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Q:発明で苦労したことは? 何かエピソードがあれば教えてください。

 僕が最初に商品化しようと考えた発明は、卓球の練習道具「球もどるん」でした。率直に言うと、大失敗です。こんな面倒な発明は最初に手掛けるべきではありませんでした。

 試作品を作ったり実験している時はワクワクしかないですが、いざ特許作成しようとすると、なにしろ初めて特許文を作成するので、わからないことばかりじゃないですか。特許作成のために、発明学会の相談に7回通い、その後発明推進協会に12回ほど通って、なんとか特許文が完成。構造が単純ではないので、構成要件が多種に渡ることや、権利の広い特許を目指したこともあり、本当に苦労しました。そして2016年に特許出願して、2019年にいざ審査請求したものの、拒絶されて特許取得をあきらめた次第です。

 僕はこのような失敗をしたので、これから個人発明家になりたいとか、初めてアイディアを形にしたいという方がおりましたら、まず最初は練習だと思って、構造が簡単な発明でチャレンジするのをおすすめします。

※上図は「球もどるん」を特許出願した時の図面。原田さんが特許権化を断念したエピソードや「絶対等間!」の開発苦労話は以下のYouTube動画でご覧になれます ↓

特許を取りたい人必見!先願調査は超重要!拒絶に対処する方法と発明家の苦悩… - YouTube

発明品の開発、特許、販売までの道のりとエピソード - YouTube

 

Q:発明ビジネスについて想う事がありましたら聞かせください。

 一昨年、クラウドファンディングが成功し、自分の発明品が初めてお金に変わりました。嬉しかったですね。ただし、手作りの少量生産ですから、とてもビジネスとは言えませんでした。現在、工場生産と商品化を目標にしているわけですが、商品化はゴールではなくて、発明ビジネスで考えればスタートラインだと思っています。

 そういう意味では、僕はまだスタートラインにすら立てていません。なので、今はスタートラインに立つこと。そしてスタート後は一気にダッシュできるように、SNSやYouTubeで下地を築いているところです。

 発明ビジネスをするなら、とにかく商品を知ってもらわないといけません。例え100人に1人しか購入してくれなくても、1000万人に知って頂ければ、10万人に買って頂ける。僕はこれを「分母を増やす」と表現しています。分母を増やすためにも、SNSやYouTubeでの下地が重要だと感じています。

 

Q:YouTuberとしての活動について

発明チャンネルを精力的に運営される理由や目標などをぜひ聞かせてください。

 現在、チャンネル運営の目的は、前述した分母を増やすためのブランド作りが1つ。そしてもう1つは広告収益です。

 元々、クラウドファンディングのプロジェクトページに商品動画を掲載する為の動画を作ったのがYouTubeの始まりでした。写真や文章よりも動画の方が分かりやすいはずだ!と確信していましたから、何よりも優先して商品動画を作りました。だから、1つ目のブランド作りの為だったのです。その後、絶対等間!以外のネタも投稿するようになり、だんだんチャンネル登録数も増えていって、YouTubeの可能性を感じ始めました。

 極めつけは2020年2月15日にアップしたマスクの動画がバズって230万回も再生されるという予想外の展開になり、当時お金が無くて来月の家賃が払えないギリギリの生活をしていた僕にとって、YouTubeの広告収益は涙が出るほど嬉しかったです。

 現在、1万人以上の方にチャンネル登録して頂いているものの、再生数は思った以上に伸びません。広告収益が少ないばかりでなく、下地作りとしても、動画の更新を楽しみにして頂けるような魅力ある内容にして、真のファンが増えるといいなーと思っています。

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※マスク動画の再生数推移。タイムリーな情報提供により注目を集めていた様子が伺えます。

 

Q:今後、力をいれたいことや挑戦したいことなどを教えてください。

 個人発明というと、主婦が一攫千金というイメージがある一方で、老人の道楽とか変人発明家が多いイメージもあると思います。変人発明家は大変結構なんですが、若い人が発明に興味を示さないところをなんとかしたいと思っています。

 マネタイズしなければ発明ビジネスは成り立ちませんし、儲かるビジネスじゃなければ若い人の心をつかめない。だからまず絶対等間!を商品化をした上で、ビジネスとして魅力があるんですよ!というのを伝えていければと思います。

 具体的には、YouTubeで発明関係の役に立つ動画、楽しい動画を継続して投稿したり、動画にするまでもないちょっとしたコンテンツならSNSで発信したい。また、一人の力では限界がありますので、他のたくさんの発明家と積極的に交流したいです。

 おりしもコロナ禍の影響で皆さんオンライン環境が整ってきているようなので、気軽に全国の方と交流ができるようになりましたよね。今回して頂いたインタビューだったり、コラボ企画だったり、イベントを開催したり、やろうと思えばお金を掛けずに色々できる時代ですから、どんどんやっていきたいと思います。

 自分のアイディアが商品になってお金に変わって、商品を買ってくれた方もハッピーになるワクワクが伝われば、もっと個人発明家も増えるんじゃないかと思っています。

 

Q:これから発明や発明ビジネスを始める方や現在奮闘中の方などにアドバイスをお願いします。

 今後のマーケティングについてでしょうか。世の中の変化は激しく、今までのやり方が通用しないこともあるでしょう。コロナ禍によって、今までと同じやり方・売り方をしている企業は淘汰されてしまいます。

 現在、YouTubeはマーケティングに有望なツールです。しかし、今後どのようなサービスが現れるか分かりません。我々発明家はアイディアマンですから、世の中に合わせて柔軟に対応しながら、マーケティングにもアイディアを活かしたいですね!僕も皆さんの奇抜な行動を見ながら勉強させてください。

 

所感・あとがき

以上、発明家・原田昭彦さんを紹介させていただきました。インタビューでは、原田さんが自分を「変人発明家」と表現されていたのが印象的でした。私から見た原田さんは、無駄を排除し、何事も効率的に進める、とてもスマートなお方。そして、YouTuberとしての活躍ぶりも目ざましく、何でもやってのけるその柔軟性にも驚かされます。

 

マスク動画がその最たる例。コロナ禍でマスクの重要性が叫ばれる中、逸早くその状況に対応。マスクの正しい使い方などを注意喚起する動画を配信され、一気にYouTuberとしても注目を浴びました。一般的に、個人発明家はモノづくり一筋のイメージが強いです。しかし、自分自身をも発明品のようにプロデュースしてしまうのが原田さんだと思います。

 

原田さんは個人発明家のリーダー的存在でもあります。ご自身のYouTubeチャンネルでは、他の個人発明家の発明品を紹介したり、発明家同士のトーク動画を配信されています。さらには個人発明家が集まるイベントなども企画・運営されています。個人発明家にとっては、同じ立場の者同士の情報交換・ネットワークが貴重ですので、そうした活動が個人発明家の活性化に繋がっていると言えます。例えば、以下のYouTube動画では、このブログでも紹介させて頂いたことがある、「みかん店長」と「パタママさん」がゲスト出演されています!

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※YouTube動画は、こちらからご覧になれます↓
https://www.youtube.com/watch?v=bH1o2QCXftM&t=826s

 

原田さんはこうした他の発明家とのコラボ企画などからも、新しい価値を提供してくれています。私もファンの一人。今後の原田さんの更なる進化が楽しみで目が離せません!原田さん、取材協力ありがとうございました。

 

このコーナーでは、本ブログ管理人が魅力を感じる個人発明家を紹介しています。インタビューを通じ、発明品の紹介のみならず、発明家本人や開発背景、発明ビジネスの秘話なども紹介させて頂きます。紹介する発明家や発明品の魅力が伝わり、発明・発明品の普及につながればと願います。また、発明ビジネスの世界を覗いてみたい方や現在奮闘中の方などの参考になれば幸いです。

 

次回もお楽しみに。