おもしろ発明ウェブログ

「はつめい」っておもしろい。「はつめい」って人をワクワクさせる。とある弁理士が気の向くままに綴るブログ。

おもしろ発明家名鑑(主婦発明家・鈴木未夏子さん) 

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2021年、新コーナーをはじめます。このコーナーでは、思わず「これ便利!」と言いたくなるような身近な発明品でビジネス展開する個人発明家を紹介していきます。

 

栄えある1人目は主婦発明家の鈴木未夏子さん。

 

鈴木さんはこのブログ管理人HBがもっとも話をしたかった発明家のお一人。今回、この新コーナーの立ち上げにあたり、最初の取材への協力をお願いしたところ快諾して頂きました。

 

目次:

 

発明家・鈴木未夏子さん

鈴木さんはママのアイディア工房(株)の代表取締役として、子育て・家事・介護を便利に楽しくすべく、主婦目線・母目線で暮らしや環境にやさしいアイディアグッズを開発・販売されています。

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発明コンテスト(発明学会主催「身近なヒント発明展」)にも毎年エントリーされ、11年連続受賞という快挙を成し遂げられています。現在もその記録を更新中のスーパー発明家です。

 

主な発明品

鈴木さんの代表作は何と言っても「お弁当袋になっちゃう!!ランチクロス☆」です。この発明品はその名のとおり、紐を引っ張ると一瞬でお弁当袋に変身してしまうランチクロスです。もちろん特許も取得されていますが、お弁当箱を袋で包むのがまだ苦手なお子様でも不自由なく使えるので、とても便利な一品です ↓

youtu.be

 

他にも「おんぶ紐付き ジャンプスーツ」「1人で魚肉ソーセージ 食べれる君」「お絵かきネックレス」などの発明品を創作されており、どれも主婦目線・お母さん目線の発明品たちです。

 

「ママのアイディア工房」ホームページでは、こうした鈴木さんの人柄が伝わってくるアイテムが沢山紹介されています。商品購入もそこから出来ますので、ぜひご覧ください ↓

ママのアイディア工房(株)

 

活動内容

鈴木さんは他にも沢山の活動をされています。

 

【主婦のアイディアよいものマルシェ】
主婦発明家やオリジナル雑貨販売家(全員女性)が集まり、主婦目線の便利グッズや女性ならではの視点で集められた食品・化粧品などを展示・販売されています。鈴木さんはこうしたイベントを主宰されています。

【セミナー講師活動など】
女性起業家向けセミナー・ランチ会、販路開拓セミナー、発明コンクール応募用紙の書き方セミナーなど、発明家・起業家の育成や交流を深めるための学びの場を提供されています。

 

鈴木さんはご自身の経験から、同じ主婦発明家や女性起業家へのサポートに力を注がれています。上記はその一部ですが、こうした活動を通じ、「主婦やママ、すべての女性がもっと自由に、もっと活躍できますように。」そして「私たちの商品が、人々の日常を便利で、楽しく、暮らしやすくできますように。」と願っているそうです。

 

その願いが社名「ママのアイディア工房」に表れているのですね。

 

インタビュー

以下、鈴木さんへのインタビューで印象に残っている会話を紹介させていただきます。

 

自分・仕事について

Q:鈴木さんはご自身をどのように捉えていらっしゃいますか?

A:発明を中心に考えたとき、①商売、②知財、③エンタメ、④コミニティ・趣味の4要素があると思いますが、自分は①商売に偏っているタイプだと思っています。

 

発明起点ではなく、「商売をやりたい」という気持ちが起点になっています。自分ができる、やりたい商売をやっていこう、という気持ちです。商売をしている家に生まれたので、父の影響を受けて、子供の頃から何か商売をやろうと思っていました。

 

Q:商売をはじめたきっかけは?

A:以前は会社勤めをしていました。子供の出産をきっかけに家にいながら働けるドミトリー経営をはじめました。ちょうどシェアハウスが流行り始めた時期です。自分は英国、夫は中国への留学経験がありましたので、やったら楽しいなと思ってはじめました。

 

日本の語学学校に通う留学生3人ぐらいでしたが、負担のない商売として「場所を貸す」というところから始めました。考えてやったことが一つうまく行ったので、味を占めて次も何かやりたいなあ、と考えるようになりました。

 

Q:次は何をされたのですか?

A:それが発明でした。

 

二人目の子供の出産で里帰りしているときに、祖母のために考えたアイデア商品です。それが発明品の第一号「枕元ポケット」です。それを発明学会のアイディアコンテストに応募したところ努力賞を受賞しました。

 

Q:ものづくりは得意だったのですか?

A:もともと工作などは得意な方です。切り紙でジバニャンやアンパンマンなどを作って、子供たちを喜ばせていたりします。

 

ものを作って売るというフィールドは、父の商売に近いし、父のフィールドでした。テレビショッピングの会社に企画を持ち込んで採用された後、海外で生産してもらい輸入する仕事をしていました。その頃は特許事務所に通ったり、海外の展示会に足を運んだりもしていました。それもあって特許や商品企画などはすごく身近に感じます。

 

あとは、インド綿の輸入卸の会社で仕入れや工場の生産管理など、現在の仕事に近いこともしていました。ですので、何となくそれらの勘が働くのと、これまで蓄積してきた知識で何とか自分ひとりでもやれています。 

 

 Q:ものづくりや発明ビジネスを上流から下流まで全て実践されていますね。その中で好きな部分や大事にされている部分はありますか?

A:私は本当に商売寄りの人間なので売る所が一番好きです。それなくしてはあり得ないぐらいで、それが全てのモチベーションになっています。作るだけでは仕事になるかも分からないところですしね。

 

一方、他の部分は結構不真面目だったりします(笑)。例えば、知財などはおろそかになっているかも知れません。でも特許を取ることなどはやらなきゃいけない重要な部分だと分かっていますので、その時は真剣にやります。ただ、その後は自分がやったことなどは忘れていたりします(笑)。

 

Q:商品を売る部分で何か意識されていることはありますか?

A:私はランチクロスで会社をはじめちゃったんですけど、ビジネスコンテストやアイディアコンクールには多く出るようにしています。

 

理由は、それらが無料で露出を多くできる場所だからです。発明学会のアイディアコンクールではテレビ出演の機会があったり、ビジネスコンテストなどは自治会が主催してたりするため、受賞すれば商談マッチングなどもあるので、そうした出会いのためにやっています。

 

また、ワンマンなので、なるべくそうした大人達?!に関わってもらいたいという気持ちです(笑)。いくら株式会社を経営していても相手にしてもらえないこともありますので、「〇〇連続受賞記録」などがあれば少し違うようにも見てもらえると思っています。

 

発明について 

Q:そうした結果は鈴木さんの実績を示していますが、素晴らしいですね。ところで、そうした実績を作り続けるというのも結構大変では? 発明やアイディアというのはポンポンと出てくるものですか?

A:そこまでスゴイ発明でもないから私の発明は(笑)。自分のことをローテク発明家と言っているんですけど、ハイテクでも何でもないですから!ガッハッハ!!

(上記のとおり、鈴木さんはこの質問を笑い飛ばしながら答えられましたが、本当はイロハをお持ちのような気配も。また機会があれば掘り下げて質問してみたいところです。)

 

※鈴木さんの数々のアイディア・発明品はこちらで閲覧できます ↓

https://www.mamanoideakobo.co.jp/idea

 

仲間について

Q:「主婦のアイディアよいものマルシェ」(以下、マルシェ)では主婦の方々が集まって販売活動をされていますね。それを主宰される目的や意図は何ですか?

 A:参加される皆さんの多くは売ることに難しさを感じています。自分の売り場を持つこと自体が難しかったりするので、まずは「自分の商品をそこに置いて人に使ってもらえる」や「自分の売り場を育てることができる」といった体験ができることに魅力を感じてくださる方が多くいらっしゃいます。

 

また、売るものが発明品でも輸入雑貨品でもオリジナル雑貨でも「販売」という共通のフィールドで共感できる話題で盛り上がったり、情報交換もでき楽しい場が生まれます。「どうやって売っていいのかが分からない」「情報交換がしたい」「同じジャンルの方と仲良くしたい」という方が多いため、そうしたニーズに応えられる場になっています。

 

参加者は二十代から八十代と幅広く、ビジネス経験も初心者からベテランまでいらっしゃいます。女性の集まりらしく、皆さんがご自分の出来ることで協力して下さり、運営としては大変ありがたく感じています。特に今はコロナ禍ですので、売り場が密にならないようにシフト制にしたり、高年齢の方は来なくても良いように協力しながら進めています。参加者がそこで得られる情報や体験などは密で魅力に感じてもらえてるようなので、いつも最後はみんな仲良しになります。また、お互いの販売風景を見ているなかでメーカー同士がファンになって購買し合うという光景も良く見られ、ちょっとした経済効果も生まれています。

 

私自身は会を主宰するに際し、特にコロナ禍ということもあって苦労もありますが、事務方に徹してくれている仲間、丸井(販売場所)様、参加者のご協力の下で運営してこられております。イベント自体にもファンが付きはじめてくれいて、良いイベントに育ってくれたら良いなと期待しています。

 

Q:マルシェは販売初心者の方にとって学びの場にもなっているんですね?

A:そうなんです。物販のベテランさんとの会話の中で学びが多いと確信しています。どのように販路開拓してきたかの経験がありますし、違うジャンルの商品を取り扱っているとしても、例えば、自治体や銀行が開いてくれている商談会についてなど、初心者さんがトライ出来るチャンスを考えながら話をしてくれたりする筈です。

 

私自身も普段は品川区武蔵小山創業支援センターで販路開拓アドバイザーとして、起業前や起業直後のビジネスプランなどの相談を受けますが、このイベントでは、立ち番をしながら時間制限なく、そうした相談事を伺い、今後の事業に関して楽しくおしゃべりさせてもらいながら一緒に考えたりということもあります。

 

Q:鈴木さんにとって、マルシェや仲間との繋がりがあることでどういった効果が生まれていますか?

マルシェの参加者には先輩もおられて、年代は別ですが共通しているものがあり、私自身多くを学ばせて頂いております。先輩方は皆さん、優しく楽しい方ばかりで、いつも甘えさせてもらっています。そうした繋がりは通常の生活では得られないものだと思いますので、同じ志を持った方が集う販売イベントはある意味貴重なのではないかと思います。

 

以前、嗜好品やアイディア商品を扱う方だけをそれぞれ5〜7名ぐらい集めてランチ会みたいなことをやったりもしました。そうすると、とにかく盛り上がります。情報交換もすごいし、共感も沢山あるし、今度何かやろう!みたいな話にもなり、いつも元気をもらっています。

 

※鈴木さんが開催されるイベントの情報はこちらからご覧いただけます ↓

https://www.mamanoideakobo.co.jp/event

 

これから

Q:今年チャレンジしようとしていることはありますか?

やはりコロナがどうなるのか分からないので、オンラインでの活動に力を注いでいきます。とは言え、プログラミングなどは自分でできないので、ネットショップなど今あるサービスの中で自分のポジションを確立していきたいです。そういう意味で、現在ホームページの改変などは行っています。

 

美容・健康などの爆発的ヒット商品が生まれるジャンルとは異なり、ちょっとした便利グッズを誰もが知っている商品にするのはとても難しいことだと思います。ですので、自分の商品を自分のトレードマークとして長期的にアピールし、できるだけ沢山の人に知ってもらうようにしています。そのために、自分でできるブランディングをし、自分がアンテナショップになれるように小さな実験を行えるネットショップで自分発信し、自分の想いを伝えていく、ということをやっていきます。分からない分からないだけではだめ、できる限り自分で。

 

所感・あとがき

以上のとおり、主婦発明家・鈴木未夏子さんを紹介させていただきました。インタビューの時間は1時間。あっという間に過ぎました。ですので、第2回のインタビューもまた企画したいと思っています。

 

鈴木さんの印象は、発明家でありながら商売にとてもストイック。そして、仲間をとても大事にされている方だなと感じました。インタビューでは、ご自身のポジションを以下のような4象限マトリックスで図示され説明してくれました。面白かったので、私もそこに現状をプロットしました ↓

 

【鈴木さん作・ポジショニングマップ】
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今回の取材を通じ、私も鈴木さんの方向に少しでも近づきたいなと思わされた形です。勉強になり、とても刺激をいただきました。鈴木さん、取材協力ありがとうございました。

 

本コーナーでは、このブログ管理人が一方的に魅力を感じる個人発明家を紹介していきます。インタビューを通じ、発明品の紹介のみならず、ご本人や開発背景、発明ビジネスの秘訣なども紹介させて頂きます。それは私自身の学びでもありますが、ご紹介させていただく発明家や発明品の魅力が伝わり、その発明品の普及につながればと思います。また、発明ビジネスの世界を覗いてみたい方、現在奮闘中の方やこれから始めようという方などの参考になれば幸いです。

 

次回もお楽しみに。