おもしろ発明ウェブログ

「はつめい」っておもしろい。「はつめい」って人をワクワクさせる。とある弁理士が気の向くままに綴るブログ。

こどもの発明【発明紹介-049】

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【目次】

 

はじめに

今日は「こどもの日」。 

 

せっかくの祝日。でも、子供も大人に負けないぐらい、たくさんの制約がある中でこの日を迎えていることでしょう。我が家にいる子供も「たいくつ、たいくつ、たいくつだなぁ」(多分、テレビで覚えたフレーズ‥)を連呼し、親としてはそれを聞くたびに何か彼らの好奇心を満たす刺激を与えたり、環境を作ってやらねばなぁと、すこし焦る気持ちになります。

 

そんな中、子供たちが気軽に取り組めるものの一つに「発明」があると思っています。それは誰もがどのような環境下でも行える知的創造活動です。今日は「こどもの日」にちなみ、子供が発明者になった発明を一つ紹介しつつ、子供たちが発明を生み出し、それを形にするのに必要な環境について簡単に触れたいと思います(最後に少しだけ持論・宣伝!?が入ります。ゴメンナサイ)。

 

発明紹介

さて、今日紹介する発明は「絡まないハンガー」です。

 

発明者は杏果(ももか)さんという現在小学5年生の少女(特許出願時は小学4年生)です(特許権者でもある)。特許番号は特許第6671628号で公開もされていますので、詳しく見たい方はこちらをご覧ください ↓

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6671628/82763657C06DC43C834DCA4E4D0541AA3213442C06DEEB7B0EDA659FC19749E0/15/ja

 

先月、この発明に特許証が交付されるシーンがテレビのニュースなどで取り上げられていました。ですので、既にお知り及びの方も多いはずですが、子供やその親御さんが発明という世界に興味を持つきっかけを与えるのには、この発明がちょうど良い題材と言えます(このタイミングで特許査定を出した特許庁はナイスプレー!)。

 

あらためて、この発明の名称は「ハンガー及びその使用方法」です。ちなみに、杏果さんのお母様も共同発明者で特許出願人です。

 

そして、この発明が解決しようとする課題は、ハンガーの絡まり防止や複数のハンガーを安定的に束ねて保持したり、ハンガーを束ねた状態から容易に取り出すこと。それを実現する手段として、ハンガーの上部や左右に磁石が付いた薄型のシリコーン製クリップを取り付けています ↓

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見てのとおり、発明の構成はそれだけであり、とてもシンプル。利用している原理も小学校の理科の授業で習うあの磁石のS極・N極の特性のみであり、小学生らしい発明と言えます ↓

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ちなみに、ハンガー上部の磁石付きクリップは、使用時に物干しざおの固定に利用できます。それにより、ハンガーや衣服を風で飛ばされにくくするという効果も発揮するそうです。

 

杏果さんは、お祖母様が洗濯の際に困っているのを見て、テスト前に学校で学んだ磁石の原理を応用することをひらめいたそうです。

 

まとめ

このように小学生が身の周りのちょっとした不便の解消を目指し、学校で身に付けた知識だけを応用して発明を完成させました。以下の記事によりますと、杏果さんは実験好き、工作好き、学校の授業では理科が得意だそうです。

www.asahi.com

 

一方、特許取得を目指すきっかけは、実用新案を取得した親戚の存在も大きかったようです。また、杏果さんのお母様が杏果さんの長所を形にしてあげたいと、特許事務所に相談されて特許権の取得に至ったそうです。

 

今回の杏果さんのケースでは、娘さんの発明を形(特許権)にしてあげたいと想うお母様の存在や、そうした大人による強力なサポートが身近にあったことも大きく作用しているように思います。

 

予てから私は「子供たちには発明を生みだす力がある。しかし、周囲に知的財産の知識を持った大人がいなければ、その子供たちからは発明が発掘されない、もしくは発明が生まれたとしても世に出ないまま埋もれてしまう。」ことを残念に思ってきました。(以下は参考記事 ↓) 

www.omoro-invention.com

 

そして、大人が子供にちょっとしたサポート(それは子供の着想・発想に気付いてやったり促してやったり、アイデアの具体化をお手伝いしたり、知的財産権としての保護を考えたり、時にはビジネスまでも一緒に創造したり・・)をすることで、子供たちは生き生きと発明ができるとも思っています。

 

だから子を持つ親御さんのみならず、子供との接点を持つ大人の中でそうしたサポートを行える人が増えることを願って止みません。

 

今後、私はそうした環境づくりを進めたいと思います。その第一歩として、「お父さん・お母さんのための親子発明教室」なるものを開催予定です。現在準備中ですが、可能ならば、子供たちの夏休み前(今年はどうなるか分かりませんが)に実施することを計画しています。最後は自分自身への鼓舞でもありますが、どうぞお楽しみに。

 

では、良い一日を。

 

※これまで、私たち親子も、親子で発明を行い特許出願等を行ってきました。関連の記事はこちらでご覧になれますので、よろしかったら覗いてください ↓
https://www.omoro-invention.com/archive/category/私たち親子の特許出願