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はじめに
4月18日は「発明の日」でしたね。
日本の特許制度は、初代特許庁長官・高橋是清が現在の特許法の前身である「専売特許条例」を交付したことで始まりました。その日が明治18年(1885年)4月18日でした。
現在では、特許制度をはじめとする産業財産権制度の普及・啓発を図ることを目的に、毎年4月18日を「発明の日」として様々なイベントなどが開催されています。発明家・ドクター中松氏もこの日に記者会見を開いて、少し話題になりましたね ↓
この記者会見では、「令和」を表現するマークが披露されました。これが特許法上の発明の定義「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」を満たすかはさておき、とても微笑ましいですね。
以上は雑談までに。
発明紹介
さて、本題の発明紹介です。
今日紹介する発明の名称は「使い捨てエプロン」、特許第6347761号です。
特許が認められた請求項1はこちら ↓
【請求項1】
シート本体(1)における上端縁部において、両側縁部が連結した状態で内側に向けて切り込まれて、この連結部を基端とする所定幅の帯部(2)が胸覆い部(3)の上部に一体に形成されている一方、
この帯部(2)の縁部には、対向する外側切込(21)が当該帯部(2)の軸線に向けて所定間隔で設けられており、かつ、これら隣接する外側切込(21)の中間部位における帯部表面にはそれぞれ開口部(22)が形成されているとともに、
この帯部(2)の一部が幅方向に切断されて各先端が形成され、この先端に係合凸部(23)が形成されて構成されており、
前記帯部(2)は、外側切込(21)および開口部(22)が拡開して長手方向に伸長可能であって、かつ、前記係合凸部(23)が複数の開口部(22)の何れかに挿入されて係合可能である一方、
この帯部(2)が係合後に収縮方向に弾性復元することによって、前記胸覆い部(3)が首回りに接近してフィットできることを特徴とする使い捨てエプロン。
文字だけではイメージが湧かないと思いますが、以下の図もセットでみれば理解が進むと思います ↓
イメージとしては、ファミレスなどで使う使い捨てエプロンの改良版ですね。従来品では、エプロン上部に設けられた紐どうしを結ぶ必要がありましたが、これが難しかったり、力加減により首元を締め過ぎたり緩め過ぎたりして、再調整も困難であったという課題がありました。
これを解決するために、この発明では、エプロン本体の上端縁部に切り込みが入った係合部を設けています。エプロンを付ける時は、それらを互いに引っかけるような形で係合でき、かつ、収縮も可能なため、着用者の首回りに曲線的にフィットできるという効果を発揮します。
これなら手先が不器用な方や手が不自由な方でも簡単にエプロンを付けることができ、着け心地も悪くなさそうですね ↓
ちなみに、こんなバリエーションもあります ↓
おわりに
一言で「発明」といっても「青色LED」や「iPS細胞」などノーベル賞を取ってしまうようなものから、私たち親子が夏休みに思い付いたアイデアを簡単に形にして完成させたようなものまで様々です。
今回紹介した発明は使い捨てエプロンにちょっとした工夫を取り入れただけですが、エプロン装着時のストレスを軽減するという “優れた” 効果を生み出しています。発明が生み出す効果のインパクトにも大小ありますが、「発明」って幅広いものなんですよ。
発明の創作活動は研究者でなくても誰でも楽しむことができます。このブログを通じ、少しでも多くのヒトが発明の世界に興味をもってくれたら幸いです。
では、この辺で。
※これまで記事にした「おもしろ発明」は、こちらをご覧ください ↓