おもしろ発明ウェブログ

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【発明紹介-007】サックスの発明

今日は私が高校時代に没頭したサックス演奏に係る発明を紹介したいと思います。

 

まず、楽器「サックス」は「サクソフォーン」の略称で、この楽器そのものも発明です。1840年代に管楽器製作者であるアントワーヌ・ジョセフ・アドルフ・サックス(Antoine Joseph Adolphe Sax)が考案し、1846年に特許を取得しています。「サクソフォーン」という名が彼の名にちなんで付けられたことは、サックス奏者の間では有名な話となっています。

 

その特許をどうしても見てみたかったので、欧州特許庁のデータベースEspacenetで検索してみました。しかし、残念ながら、その特許は古すぎて見つけることはできませんでした。悶々とした気分を抑えつつ、仕方ないので「サクソフォーン」関連の特許でも見てみるかぁ、と気持ちを切り替え、今回もJ-PlatPatを用いて検索。その中から一つ面白い発明を見つけることができたので、今回はそれを紹介したいと思います。私としては高校時代に知っておきたかった代物です。

 

発明の名称は「サクソフォーン及びクラリネット用演奏アダプター」、平成10年に出願された発明です(特願平10-299002)。発明者・出願人が同一個人名の特許出願だったので、恐らく個人発明家による特許出願だと思われます。図面には味のある絵が描かれており、一言で表現すれば、サックス吹奏時に下の歯に被せるアダプターです ↓

 

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サックスを吹くとき、奏者は楽器のマウスピースを咥えます。その際、下の唇を下の歯の上に被せて吹きますが、この状態で長時間練習すると、下唇に圧力がかり結構痛いのです。ひどい時は下唇に傷が出来てしまい、それにより練習継続も困難になるぐらいです。サックスを嗜む者なら誰しもが抱えている問題ではないかと思います。明細書の従来の技術の欄には、この痛み軽減のために「油取り紙」や「絆創膏」を挟んで練習してるヒトまでいるとのことが記載されています。私自身はそこまでやったことはありませんが、他のサックス・プレーヤーにとっても根深い問題だったことが分かりました。そして、この発明である「演奏アダプター」を演奏時に装着すれば痛みから解放されるというものなのです。

 

・特開2000-89751から抄録として引用(赤字は筆者による強調)

【従来の技術】サクソフォーン及びクラリネットは演奏 するときに、下の歯に下唇を少しかぶせて演奏する。楽器のマウスピース部分と歯の間で下唇が圧迫され、痛みが生じるため、この状態での練習及び演奏時間はごく短時間に限られる。そのため演奏者は下の歯にいわゆる「アダプター」をはめて練習及び演奏を行っている。アダプターの素材としては、通常油取り紙か絆創膏等を使用している。

 

さらにこの発明、装着前にお湯に浸して柔らかくした上で装着すると、使用者の歯並びにあった形状になる優れもののようです ↓(湯気と水道の絵がいい味を出していて好きです。)

 

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・特開2000-89751から抄録として引用(赤字は筆者による強調)

【0011】尚、上記の例では演奏アダプターの素材にポリゴレフェン樹脂を使用しているが、本発明はこの素材に限定されるものではない。所定温度の湯に浸すことにより変形加工が可能なプラスチックであれば演奏アダプターに使用することができる。

【0012】本演奏アダプターはプラスチック製である ため、従来の紙や布の素材に比較すると約10倍以上の耐久性を有している。また、本アダプターは洗浄することにより、常に衛生的に繰り返し使用することができる。

【0013】

【本発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、演奏者の歯並びに関係なく使用可能な演奏アダプターを成形することができる。

【0014】また、本アダプターは、サクソフォーンやクラリネット以外の管楽器の演奏にも応用可能である

 

この発明の特許出願の審査経過を見てみると、拒絶理由通知を受けた後に出願人が何も対応せず、その結果、拒絶査定が確定していました。つまり、特許発明としては認められていません。一方、現在ネットで調べてみると「リップロテクト」という商品名で販売されており、Amazonでも購入可能のようです。私も使用感を試してみたくなりましたが、特許権で保護されていないということは、同じ商品を開発して販売しても他に権利などなければ問題無いことになりますね。。