おもしろ発明ウェブログ

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【発明紹介-001】マイケル・ジャクソン氏の発明

このブログの目的の一つ「おもしろ発明の紹介」をします。栄えある第1弾は、あのマイケル・ジャクソン氏の発明です。なんと! この方は発明者だったのですね。

 

彼が発明したのは、"Method and means for creating anti-gravity illusion"(反重力イリュージョンを作る方法と手段)です。この名称を聞いてピンときた方も多いかと。

 

特許は米国特許第5255452号、図面は以下です。

見てのとおり、この発明は前方斜め45度に体を傾けるための手段・道具です。靴のかかと部分にV字型の凹部があり、ここに地面から突き出たボルトの頭部をひっかけて前傾姿勢を保つという仕組みのようです。Smooth Criminalという彼の楽曲の中で、この仕掛けを使ったパフォーマンスが披露されています。あの人間離れした姿勢の秘密はここにあったということです。

 

そうだったのかぁ、と少し残念に思った方もいるでしょう。私としてはこの特許が少し気になったので、米国特許商標庁(USPTO)のデータベースを使って調べてみました。

 

先ずは発明者情報で検索。マイケル・ジャクソン氏が発明者として特許出願していたのはこの一件だけ。同姓同名の特許出願は他にもありましたが、見た限り、エンターテイメント関連はなかったので、そう判断しました。

 

次に審査書類をひと通りみたところ、幾つか興味深い情報が得られました。

 

出願日は1992年6月29日、その後、約1年3月で特許権が成立しています。その間、Office Action(日本の拒絶理由通知)を1回受けて、記載の不明確性や発明の自明性(日本では進歩性がないこと)の指摘を受けてました。ただ、それに対する1回の補正と反論で特許されていました。アメリカの特許審査では、一次審査通知までの平均期間が18.1ヵ月、最終処分までの平均期間が27ヶ月(ともに2014年の参考値ですが)と言われてます。比較的に難なく特許されたケースだと思います。

 

一方、アメリカに特許出願する場合、発明者は宣誓書/宣言書に署名して提出する必要があります。これはアメリカ特有の制度で、目的は発明者自身に自己の発明であること等を書面で宣誓させることです。この書面ですが、審査経過を見ると、当初提出された書面にマイケル・ジャクソン氏の署名はありませんでした。その結果、USPTOから方式指令が出され、その後に署名入りの書面が出し直されていました。何故、代理人が署名のない書面を提出したかは色々想像したくなるところです。

 

それはさておき、彼は筆頭発明者の位置付けです。発明貢献が最も大きかったのですね。私は彼の直筆サインをこんな形で見ることができ少し嬉しかったです↓ 

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また、審査の過程で審査官と代理人が面接している記録もありました。さすがにマイケル・ジャクソン氏が同席した記録はなかったですが、権利化に向けて努力があったことが伺えます。

 

最後に、特許権は維持年金を支払わなければ消滅してしまいます。マイケル・ジャクソン氏の特許権は、権利満了まで7年を残して2005年11月23日に年金未納で消滅していました。彼の財力からすれば、その額はたかが知れていると思うのですが、何故そうしたのかは色々考えさせられます。勝手な想像ですが、その段階で誰かが同じパフォーマンスをしたとしても「それは彼のマネでしょ」という状況になったので、彼はそれで良しとしたのかも知れません。

 

以上、審査書類などからマイケル・ジャクソン氏の活動を少しだけ読み解きました。

 

総じて、彼はエンターティナーとして一流なのは勿論のこと、それを実現するための仕掛けの創作、さらにそれをしっかり知財保護・活用している点も超一流だなぁと思わされました。

 

ふむふむ。。おもしろ発明」認定です!!

 

私はあとで知ったのですが、この発明はUSPTOにある発明博物館に展示されているそうです。上記の審査経過などを除き、割と知られた話なのかも知れません。どうか悪しからず。。